静岡県熱海市への移住はどう?暮らし・仕事・住居・支援内容を解説|縁結び大学

この記事では移住を考えている人に向けて、静岡県熱海市(あたみし)の特徴や仕事、住まいといった、暮らしに役立つ情報をご紹介します。

熱海市は静岡県最東部に位置し、熱海温泉などの温泉街が有名です。神奈川県と接しており、東京まで新幹線で約50分と好アクセスです。

今回は、熱海市観光推進室の担当者の方に、地域の魅力や暮らし、移住支援などについてお聞きしました。

本日お話を伺った方
女性スタッフのアイコン

熱海市 観光推進室

担当者さん

熱海市の特徴を4つご紹介

静岡県熱海市暮らしの特徴

熱海市は伊豆半島の東側に位置し、相模灘に面しています。市内はほとんどが丘陵であり、別荘地や住宅なども高台の上に建つところが多く、坂が多いまちです。

そんな熱海市での暮らしは、次のような方に適しています。

  • 移住先から都市部へ通勤したい
  • 観光地を見て周るのが好き
  • 色々なアクティビティを楽しみたい
  • 急な病気にも対応できる医療機関がある自治体に住みたい

上記のような方に適している理由を、熱海市に見られる4つの特徴から解説します。

特徴1:東京まで約50分!都心へのアクセスがよい

N700系新幹線
▲東京まで新幹線で約50分と好アクセス

熱海市は相模灘に面し、晴れた日には初島や大島、伊豆半島も見える眺望の美しさがあり、ゆったりとした時間が過ごせます。

一方で、東海道新幹線を利用すれば、東京まで約50分で到着する好アクセスな立地で、都心への通勤・通学が可能です。混雑した電車が苦手な人や、ゆっくりニュースをチェックしながら通勤したい人におすすめのまちです。

なお、車で東京に行く場合は約1時間30分で到着します。

熱海市の全景
▲熱海市の全景。市内のほとんどが丘陵地

特徴2:イベントや観光施設がいっぱい

熱海市の「熱海海上花火大会」
▲「熱海海上花火大会」は熱海の名物イベント。年間を通して10回以上開催される

熱海市では、一年を通してさまざまなイベントが実施されているほか、美術館や歴史ある神社や施設がたくさんあります。

昭和27年に始まった「熱海海上花火大会」は、年間を通して10回以上も開催されている熱海の名物イベントで、フィナーレを飾る「大空中ナイアガラ」の美しさは息を呑むほどです。

また、温暖な熱海市は四季折々の花を楽しめるため、散策が楽しいまちです。4月下旬~5月中旬の「姫の沢公園花まつり」ではツツジ約60,000株が見頃を迎え、5月〜10月にかけてはブーゲンビリアが赤・マゼンタ・紫などの美しい色の花を咲かせます。

熱海市のブーゲンビリア
▲熱海市の中心部を流れる「糸川」を覆うように咲き誇るブーゲンビリア。ジャカランダフェスティバルに合わせてライトアップが行われる

6月には「ジャカランダフェスティバル」が開催され、紫のラッパ状の花がライトアップされます。11月〜12月にかけては、熱海梅園などで「日本一遅い」と言われる紅葉が楽しめます。

「MOA美術館(エムオーエーびじゅつかん)」は国宝3点を含む約3,500点の収蔵品を誇る、熱海を代表する美術館です。尾形光琳(おがたこうりん)の最高傑作とされる国宝「紅白梅図屏風(こうはくばいずびょうぶ)」は毎年2月の梅の季節に合わせて公開され、多くの人の目を楽しませています。

熱海市の「MOA美術館」
▲私立美術館「MOA美術館」のメインロビーやムア広場からは、初島や伊豆大島、房総半島、三浦半島、伊豆半島まで大パノラマを眺望できる

「旧日向家熱海別邸(きゅうひゅうがけあたみべってい)」は、ドイツ人建築家のブルーノ・タウトが日本に残した唯一現存する建築で、桂離宮、伊勢神宮など日本の様式美を意識した設計がなされています。民間企業の保養所として利用されていましたが、現在は熱海市の所有となり一般公開されています。

そのほか、源頼朝も立ち寄ったとされる「今宮神社(いまみやじんじゃ)」や、パワースポットとして有名な「來宮神社(きのみやじんじゃ)」などの神社や、360度パノラマが楽しめる天守閣展望台を有する「熱海城」といった観光施設など、見るべき場所がたくさんあります。

特徴3:アクティビティが楽しめる自然豊かな町

熱海市でのハイキングイメージ

熱海市では、自然を感じるアクティビティが多いのも魅力のひとつです。海水浴、マリンスポーツ、ゴルフ、釣り、パラグライダーなど思い思いのアクティビティを楽しむことができます。

南国の雰囲気いっぱいのサンビーチは、熱海の顔とも言うべきビーチです。早朝には水平線からのぼる朝日がビーチと街を染めていく光景を見ることができます。夜にはビーチのライトアップが行われ、幻想的な風景が楽しめます。

「マリンスパあたみ」は全天候型健康運動施設で、オーシャンビューで温泉やアクティビティを楽しむことができます。高低差約8mのウォータースライダーには、お子さんも大喜びすることでしょう。

熱海市で体験できるマリンスポーツには、シュノーケリングやダイビングがあります。水着とタオルだけで気軽に参加でき、器材の使い方から安全確認までしっかりレクチャーしてくれるので、初心者にもおすすめです。

熱海市には複数のゴルフクラブがあり、中には長い歴史を誇る名門コースもあります。高台から相模湾を見下ろすリゾートコースは爽快感が抜群です。また、富士山を眺めながらゴルフができるコースもあります。さまざまなコースを周って楽しみたいものですね。

「熱海港海釣り施設」では、貸竿があるので、手ぶらで釣りを楽しむことができます。マンツーマンの釣り教室もあるので、釣りが初めての方は参加してみてはいかがでしょうか。

熱海市では、パラグライダーも体験できます。インストラクターと2人で飛ぶものから、1人で飛ぶことにチャレンジするものまで、豊富なコースの中から選べます。パラグライダーのライセンス取得を目指すコースもあるので、本格的にチャレンジしたい人も満足できるはずです。

特徴4:医療機関は県内トップクラスの充実

医療イメージ

熱海市は、医療機関の数は、人口比では県内でもトップクラスです。

熱海駅より徒歩約10分の場所に総合病院があります。また、地元住民からも頼りにされているクリニックや歯科医院も多数あります。お子さんの急な病気に24時間対応してくれる病院もあるので、小さなお子さんのいるご家庭でも安心ですね。

熱海市の暮らしに関する情報

ここからは、熱海市の暮らしに関する情報をご紹介します。

気候 8月平均気温:26.4℃
1月平均気温:7.0℃
※参考:気象庁
人口 人口:約34,300人
世帯:約21,000戸
(令和5年4月末現在)
病院 病院・クリニック:33件
歯科:23件
学校 保育施設:10所
幼稚園:5園
小学校:7校
中学校:4校
高等学校:1校
交通 【電車】
JR東海道新幹線:熱海駅(東京駅まで約50分)
JR東海道本線:熱海駅
JR伊東線:熱海駅、来宮駅、伊豆多賀駅、網代駅

【索道】
アタミロープウェイ

【バス】
東海バス
伊豆箱根バス
箱根登山バス

【車】
三島市まで約40分、伊東市まで約40分、東京まで約1時間30分
近隣都市 三島市、伊東市

熱海市の熱海桜
▲熱海桜は開花時期が非常に早いのが特徴で、1月に開花する

熱海市は坂が多いまちなので、車があった方が便利です。

駅前には飲食店や商店街、ショッピングモール「ラスカ熱海」があり、熱海駅から徒歩約15分前後の中央町周辺にはスーパーマーケットの「マックスバリュー」もあります。さらに大型のショッピングモールなどで買い物をしたい場合は、伊東市や三島市、沼津市、小田原方面に行くことが多いようです。

熱海市の気候については、1年を通して温暖な気候であり、夏は比較的涼しく、冬は暖かく、「常に春のような気候」とも言われています。山側以外では雪が積もることはほとんどありません。

熱海市の熱海駅前の足湯
▲熱海駅前では足湯が楽しめる

【子育て】市営駐車場の無料定期券交付などで子育て世帯をサポート

熱海市では、子育て世帯に関する支援を行っています。ここでは経済的な支援の一部をご紹介します。公園やビーチ近くの市営駐車場が無料になる定期券が交付されるのは、遊び盛りのお子さんを持つ世帯にはありがたいのではないでしょうか。

結婚新生活支援補助金 夫婦がともに39歳以下の新婚世帯の新居の住居費や引越費用を支援
・夫婦とも29歳以下の夫婦:1世帯当たり上限60万円
・夫婦とも39歳以下の夫婦:1世帯当たり上限30万円
すくすく応援ギフト 出産応援ギフト:妊婦1人につき現金5万円
子育て応援ギフト:子ども1人につき現金5万円
あたみっ子出産応援金 胎児1人につき2万円
熱海市子ども医療助成制度 0歳〜18歳の子どもの医療費を助成
多子世帯就学支援事業 高校生以下の子どもが3人以上いる多子世帯に対して、第3子以降の児童が小学校に入学する際に必要なランドセルや各小学校指定用品の購入費の一部を助成
対象児童一人につき、上限3万円(申請は1回限り)
多子世帯放課後児童クラブ利用料 高校生以下の子どもが3人以上いる多子世帯に対して、第3子以降の児童が放課後児童クラブ(学童クラブ)を利用する際の利用料を助成(年額上限6万円)
熱海市子育て支援駐車場無料定期券の交付 3歳までのお子さんを持つ親に、渚小公園やサンビーチ近くの一部市営駐車場が1日1回に限り4時間無料となる定期券を交付

公式:熱海市「結婚新生活支援補助金」
公式:熱海市「手当・助成」
公式:熱海市「熱海市子育て支援駐車場無料定期券の交付について」

教育については、小学校では学習支援員が配置され、きめ細やかな指導が行われています。小・中学校では、主食、おかず、牛乳を提供する「完全給食」を実施しており、子どもの栄養面にも配慮されています。

なお、毎年6月には「ふるさと給食週間」として静岡県にちなんだ食材を取り入れており(例/黒はんぺんのお茶フライ・緑茶パンのシュガートーストなど)メニューを工夫し子どもたちから大人気です。

また、子たちが英語に親しむこと、外国の文化に対する理解を深めること、英語によるコミュニケーション能力の育成を図ることを目的にALT(Assistant Language Teacher)外国語指導助手が派遣されています。子どもたちは生きた英語に触れることができ、英語に対する興味・関心を高めています。

子どもの遊び場は「長浜海浜公園」と「姫の沢公園」がおすすめ

熱海市の長浜海浜公園
▲長浜海浜公園には、夏季のみ温水シャワーが利用できる

「長浜海浜公園」は市営海水浴場に併設された公園で、小学生以下の子どもたちが楽しめる「大型遊具」が設置されています。また、ジャングルジム、シーソーなど、3歳以下の幼児だけを対象としたキッズエリアもあるので、安心して小さなお子さんを遊ばせることができます。

「姫の沢公園」は市内の山間部に位置する広大公園で、「日本の都市公園100選」に選定されています。園内では四季折々の植物を楽しめるだけでなく、アスレチックやハイキングコースが整備され、自然と触れ合うことができます。雨の日でも子どもたちが遊べる「こどもアドベンチャー」があるのも嬉しいですね。

【仕事】市内の求人数は多い

大手求人情報サイトで熱海市の求人を調べたところ、約3,000件ヒットしました。
※求人情報の一例

市内での仕事は観光業や福祉関連サービス業が多いようです。会社に勤務する人は、車で約45分の沼津市や神奈川県小田原市まで通勤する人もいるようです。また、前述した通り、新幹線に乗れば東京まで約50分なので、都心に通勤している人も多いです。

【住まい】賃貸物件は豊富。温泉に入れる物件も

大手住まい情報サイトで熱海市の賃貸物件を調べたところ、約100件ヒットしました。熱海駅から徒歩10分圏内の賃貸マンションの相場は、2LDKで9万~10万円程度、3LDKで14万~15万円程度です。
※賃貸物件の一例

熱海市では、リゾートマンションが多く、マンションに温泉の大浴場が併設されている物件もあります。毎日温泉に入れるのは羨ましいですね。まちの中心部よりも、伊東よりの南熱海地区の方が、部屋が広く、家賃も安い傾向があります。

熱海市では、静岡県と協働し、地方創生推進交付金を活用して、移住・就業支援金を支給しています。該当する人は活用してください。

移住・就業支援金

東京圏から熱海市に移住し、静岡県マッチングサイト「しずおか就職net」に登録されている企業に就業する人、または起業支援金の交付を受けて起業する人などのうち、対象要件を満たす人に、単身での移住に60万円、世帯での移住に100万円を支給
※18歳未満1人につき、最大100万円を加算。
※予算がなくなり次第受付終了。申請前に事前相談が必要。

公式:熱海市「移住・就業支援金(R5年度受付開始)」

熱海市に移住した人の声・感想

静岡県熱海市移住者の声

次に、熱海市に移住した方の感想をご紹介します。

  • 毎日海が見れて気分がいい
  • 海から上がる朝日を見ながら東京に通勤できるのが嬉しい
  • 新幹線通勤なので、毎日座って通勤できる点がよい
  • 気候が温暖なので、庭でみかんを育てている
  • 出かけるときに、ご近所さんが「いってらっしゃい」と声をかけてくれる

景色の美しさや新幹線通勤の快適さが好印象のようです。熱海市では各町内会があり、コミュニティが活発に活動しています。そういった活動にも積極的に参加して、地域の人々との絆を深めていきたいですね。

熱海市へ移住するために利用したい窓口・支援

熱海市への移住を検討したら、情報収集をしましょう。熱海市では、東京交通会館で開催される「静岡まるごと移住フェア」に出展し、移住相談会を実施しているほか、オンライン個別相談も行っています。日程が合えば、ぜひ参加しましょう。

熱海市の担当者さんによると、移住前に、日帰りでもよいので、春夏秋冬のまちの様子を実際に見てもらいたいとのこと。1月に開花する「熱海桜」や7月の夏祭りなど、季節ごとにイベントがありますので、観光がてら下見をするのもよいですね。

熱海市への移住に関するお問い合わせ

移住相談窓口 熱海市役所
住所 〒413-8550
静岡県熱海市中央町1番1号
電話 0557-86-6000(代表)
公式サイト 熱海市 移住について