【長野デート】須坂版画美術館で近代版画の魅力体験!カップルで楽しむアートな1日

「美術館めぐりデート」特集22弾でご紹介するのは、長野県須坂市にある「須坂版画美術館」です。

大正期から昭和初期の版画作品を中心に、版画芸術の魅力を紹介している須坂版画美術館木版画や銅版画など、さまざまな技法を用いた表現力豊かな作品が多数展示されています。これらの作品は、日本の近代版画の発展を物語る貴重な資料でもあります。

今回は、須坂版画美術館の学芸員である梨本有見さんに、展示内容や美術館の特徴について詳しくお話を伺いました。

版画芸術に興味がある方はもちろん、美術館デートを楽しみたいカップルの方々にも参考になる内容となっています。美術館の魅力や楽しみ方、周辺のデートスポットなど、実用的な情報も盛り込んでいますので、ぜひ最後までお読みください。

※記事中の金額はすべて税込表示です

須坂版画美術館の魅力と特徴

須坂版画美術館の内観

▲須坂版画美術館の内観

須坂版画美術館は版画芸術に特化した美術館です。須坂市出身の版画家小林朝治の作品を中心に、全国の版画家たちとの交流により収集した創作版画運動による版画作品や版画同人誌を展示しています。

また、全国に2つしかない公立版画専門美術館のうちの1つでもあり、大正期から昭和初期に誕生した創作版画を中心に、近代以降の版画作品を幅広く鑑賞することができます

それでは、須坂版画美術館の学芸員である梨本有見さんに、展示物の内容や建物についてお話を伺いましょう!

近代版画の宝庫:常設展示の特色

インタビュアー

須坂版画美術館を開館した経緯などがあれば教えてください。

また、どのような作品が展示されているのでしょうか。

梨本さん

須坂出身の版画家、小林朝治(こばやしあさじ)の版画作品と、全国の版画家たちとの交流により朝治が収集した創作版画運動による作品、版画同人誌の寄贈を受けて1991年に開館しました。

大正期から昭和初期の版画作品を中心に、近代以降の版画作品の常設展示を行い、版画芸術の魅力をご紹介しています。展示作品には木版画や銅版画、リトグラフなど、様々な技法で制作された版画が含まれています。

インタビュアー

絵画や彫刻などと比較して、版画芸術はあまり目にする機会が少ない印象があります。

須坂版画美術館では、そうした版画芸術の魅力を多くの方に知っていただく機会を提供しているのですね。

全国でも珍しい公立版画専門美術館

インタビュアー

須坂版画美術館ならではの魅力を教えてください。

梨本さん

公立の版画専門美術館は、全国に2つしかありません。そのうちの1つが当館です。木版画や銅版画、リトグラフなど、さまざまな技法の版画作品をお楽しみいただけます。版画の歴史や技法について学べる展示も充実しています。

インタビュアー

版画専門美術館が全国に2つだけとは珍しいですね。貴重な美術館だからこそ、特別な体験ができそうです。

創作版画の黎明期:貴重な展示作品

インタビュアー

須坂版画美術館には、どのような展示物がありますか?

梨本さん

当館では主に大正期から昭和初期の「近代以降の版画作品」を展示しています。これらは創作版画と呼ばれるもので、従来の浮世絵のような分業制ではなく、一人の作家が描き、彫り、摺るという新しいスタイルの作品です。

大正以降、この創作版画という「自分で描き、自分で彫り、自分で摺る」スタイルが普及し、版画が単なる絵の大量生産技術から芸術へと進化しました

当館では、この創作版画が生まれた大正期から昭和初期の版画作品を中心とした「近代以降の版画作品」をご覧いただけます

特に人気なのは、小林朝治の郷土玩具を題材にした版画作品です。これらはグッズ化もされており、お子様から大人まで幅広く親しまれています。

また、「山の版画家」として知られる畦地梅太郎の作品も展示しています。彼は版画だけでなく、画文集の出版や装丁、挿画などの分野でも活躍し、多くのファンに支持されています。

夏の企画展:新たな版画の魅力を発見

インタビュアー

常時閲覧できる展示物以外に、企画展なども開催されていますか?

梨本さん

夏に毎年、企画展を行います内容は毎年変更しており、来館者の皆様に新しい体験をお楽しみいただけます。また、5月には当館のある森の中でクラフトフェアが開催されます。地元の職人による手作り作品の展示や販売が行われ、自然の中でアートを楽しむことができます。

カップルで楽しむ須坂版画美術館のポイント

須坂版画美術館の内観ー平塚運一

▲須坂版画美術館の内観ー平塚運一

須坂版画美術館では、木版画から銅版画まで幅広い版画技法を体験できる教室を開催しています。現役の版画家が講師を務めるため、プロの技術を直接学べることが大きな魅力です。カップルにも特におすすめの体験で、お揃いの作品や色違いの版画を作ったり、お互いのために作品を制作したりすることができます

また、須坂版画美術館が位置するアートパーク内には世界の民俗人形博物館も併設されています。この博物館の見どころは、高さ6メートル、30段にも及ぶ壮大な雛人形です。特筆すべきは、ぼんぼりの灯りが遠くから見るとハート型に見える工夫が施されている点です。

それでは、須坂版画美術館の魅力について、さらに詳しく梨本さんにお話を伺っていきましょう!

四季を感じる美術館アプローチ

インタビュアー

展示物以外の見どころや、デートでのおすすめスポットはありますか?

梨本さん

当館はアートパークという森の中にあります。

駐車場から美術館までの道は、季節によってさまざまな植物が楽しめる散歩コースになっています。春には桜、夏には緑豊かな木々、秋には紅葉、冬には雪景色と、四季折々の自然を楽しむことができます。美術館までの道中も、自然とアートが融合した魅力的な空間となっており、ゆったりと散策しながら季節の移ろいを感じられます。

カップルで挑戦!定期開催の版画教室

インタビュアー

イベントやワークショップなどの開催はありますか?

梨本さん

木版画から銅版画まで版種の違う版画教室が毎月あります。これらの教室では、参加者が実際に版画制作を体験できます。

その他には、小学生以下のお子さま連れの方を対象としたワークショップも開催しています。これらのワークショップでは、お子さまが楽しみながら版画に触れる機会を提供しています。

インタビュアー

普段の生活で、版画を体験する機会はなかなかありませんよね。見るだけでなく実際に経験することで、より思い出に残りそうです!

思い出づくり:小林朝治作品の顔出しパネル

インタビュアー

須坂版画美術館内で、記念撮影ができるスポットはありますか?

梨本さん

小林朝治の郷土玩具を描いた版画作品の顔出しパネルがあります。この顔出しパネルは、来館者に人気の撮影スポットとなっています。パネルには、長野県の郷土玩具がカラフルに描かれており、来館者の顔をはめ込むことで、楽しい記念写真を撮ることができます。

カップルでお揃い!ミュージアムショップのオリジナル商品

インタビュアー

須坂版画美術館のグッズやお土産を購入できるミュージアムショップはありますか?

梨本さん

はい、ミュージアムショップがあります。お土産は様々なオリジナルグッズから版画に関わる書籍まで幅広く取り揃えています

オリジナルグッズには、須坂版画美術館オリジナルのチロルチョコ、版画制作用のカッター(版カチ)、クリアファイル、トートバッグなどがあります。特に人気なのは、来館者自身がデザインしてオリジナルトートバッグを作れるグッズです。これは美術館での体験を形に残せる素敵な思い出になります。

利用者の声:須坂版画美術館の魅力

須坂版画美術館の内観ースタンプラリー

▲須坂版画美術館の内観ースタンプラリー

インタビュアー

須坂版画美術館の利用者は、どのような人が多いのでしょうか?

また、利用者からの感想やうれしかった声などがあれば、あわせて教えてください。

梨本さん

利用者は幅広い年代が多いです。展示内容によって、来館者の年齢層は異なります。

感想としては、ワークショップが楽しいと言っていただけることが多いですね。また、須坂版画美術館には館内スタンプラリーも設置していますが、これを集めることが楽しいという声もよく聞かれます。

インタビュアー

幅広い年代の人が楽しめる施設なんですね。ワークショップやスタンプラリーなど、体験型の要素があることで、より充実した美術館体験ができそうです。

須坂版画美術館周辺のデートスポット

那須版画美術館で作成された傘

▲那須版画美術館で作成された傘(出典:那須版画美術館公式Facebook

須坂版画美術館では版画教室やワークショップを楽しむことができます。しかし、デートで訪れる方にとっては、美術館周辺のデートスポットも気になるところでしょう。

そこで、美術館周辺の魅力的なスポットについて、梨本さんに詳しく伺いました。以下では、その内容をご紹介していきます。

カップルで巡る須坂市内文化施設コース

インタビュアー

近くでおすすめの観光スポットや食事処などがあれば教えてください。

梨本さん

須坂市内には、当館以外にもいくつかの文化施設があります。例えば、須坂クラシック美術館や世界の民俗人形博物館などがあります。食事に関しては、古民家を改装したイタリアンレストランなど、趣のある飲食店もございます。また、市内には江戸時代から続く蔵の町並みや、りんごやぶどうなどの果樹園も多く、見どころが豊富です。ぜひ市内を散策しながら、須坂の歴史や文化、自然を楽しんでいただければと思います。

美術館と市内観光を満喫する欲張りデートプラン

インタビュアー

カップルにおすすめのデートプランなどあれば教えてください。

梨本さん

美術館を1時間半程度でまわり、その後森の中を散歩するのがおすすめです。さらに、須坂市内の観光スポットを巡ってから駅へ向かうというプランはいかがでしょうか。例えば、江戸時代の面影が残る蔵の町並みや、春には桜が美しい臥竜公園など、須坂の魅力を感じられる場所を訪れるのもよいでしょう。美術館周辺の自然と市内の歴史的な雰囲気を楽しむことができ、カップルで思い出に残る1日を過ごせると思います。

須坂版画美術館訪問前の基本情報

須坂版画美術館の内観ーパネル

▲須坂版画美術館の内観ーパネル

この記事を読んで「実際に行ってみたい」と思った方も多いことでしょう。須坂版画美術館を訪れる前に、予約方法や入館料などの基本情報を知っておくと、より充実した美術館巡りを楽しむことができます。版画作品の鑑賞だけでなく、美術館全体の雰囲気も楽しめるでしょう。

そこで、須坂版画美術館を訪れる際に知っておきたい実用的な情報について、学芸員の梨本さんにお話を伺いました。これらの情報は、皆さまの美術館訪問をより快適なものにするでしょう。

予約不要:気軽に楽しめる美術館

インタビュアー

須坂版画美術館の利用に際して、予約は必要ですか?

梨本さん

予約の必要はありません。開館時間内であれば、いつでもご来館いただけます。当日の思い立った来館も歓迎しています。

お得に利用:入館料と割引情報

インタビュアー

入館料や展覧会のチケットなどの料金はどれくらいかかりますか?

また、安く利用できる方法などがあれば、あわせて教えてほしいです。

梨本さん

一般300円で、高校生以下および市内在住の70歳以上は無料です。

JAF(日本自動車連盟)会員であれば割引を受けられますよ。具体的には、入館料が20%オフになります。

インタビュアー

300円という手頃な入館料で、幅広い年齢層の方々が利用しやすい料金設定ですね。JAF会員向けの割引も、お得に美術館を楽しめる良い機会だと思います。

公共交通機関で行く須坂版画美術館

インタビュアー

公共交通機関で行く場合の最寄り駅とアクセス方法を教えてください。

梨本さん

長野電鉄長野線須坂駅が最寄り駅です。駅からは、徒歩1分程度の場所にあるバス停から、バスに乗車してください。「アートパーク入口」で下車すると、約14分で施設に到着します。

また、タクシーを利用する場合は約7分で到着します。

インタビュアー

車を持っていない方でも、公共交通機関で気軽に訪れることができるのですね。

車でのアクセス:50台収容の無料駐車場

インタビュアー

車で行く場合、駐車場の用意はありますか?

あわせて、収容台数も教えてください。

梨本さん

無料駐車場があります。収容台数は50台です。ご利用の際は、混雑時期には早めの到着をおすすめします。特に土日祝日や長期休暇期間中は、午前中に満車になることがあります。

カップルで守りたい美術館マナー

那須版画美術館の入り口

▲那須版画美術館の入り口(出典:那須版画美術館公式Facebook

インタビュアー

美術館を楽しむ上でのマナーがあれば教えてください。

梨本さん

通常の美術館と同様のマナーが適用されます。具体的には、以下のような点に注意していただきたいです: ・大きな声での会話は控えること ・展示品には手を触れないこと ・写真撮影は許可された場所でのみ行うこと ・他の来館者の鑑賞を妨げないよう配慮すること これらのマナーを守ることで、すべての来館者が快適に作品を鑑賞できる環境を維持できます。

インタビュアー

本日は、貴重なお話をいただきありがとうございました!

須坂版画美術館:基本情報まとめ

住所 〒382-0031
長野県須坂市野辺1386-8
電話番号 026-248-6633
開館時間 9:00〜17:00
休館日 水曜日
公式サイト https://www.culture-suzaka.or.jp/hanga/

比較的空いている曜日や時間帯

  • 平日(月曜日から金曜日)の9:00〜17:00の間

須坂版画美術館周辺のカップル向けスポット

須坂版画美術館と合わせて訪れたい、魅力的なデートスポットを以下に2つご紹介します。これらの場所は、美術館での鑑賞後にゆっくりと過ごすのに最適です。美術鑑賞の余韻を楽しみながら、のんびりと時間を過ごすことができるでしょう。

カピバラ温泉で癒しのひととき:須坂市動物園

須坂市動物園は、さくら名所100選に選ばれた臥竜公園内にある動物園です。公園内には過去に動物園で飼育していた動物のはく製を展示している「はく製館」や、「D51蒸気機関車実物展示」もあります。秋から春にかけて須坂の温泉に浸かるカピバラ温泉が名物で、温泉でくつろぐカピバラの姿は写真撮影に大人気です。カピバラが温泉に入る珍しい光景は、多くの来園者を魅了しています。

須坂市動物園ホームページ:https://www.city.suzaka.nagano.jp/suzaka_zoo/

世界的名作を鑑賞:小布施の北斎館

北斎館は長野県上高井郡小布施町にある美術館です。葛飾北斎が晩年に小布施で描いた祭屋台天井絵4枚が常設展示されています。これらの作品は世界的に高い評価を受けており、国内外から多くの美術愛好家が訪れています。北斎館の周辺には小布施名物の栗を使ったスイーツ店が多く立ち並び、美術鑑賞と合わせて地域の味を楽しむことができます。北斎の芸術と小布施の文化を同時に体験できる貴重な場所となっています。

北斎館公式ホームページ:https://hokusai-kan.com/