飯南町移住のすすめ!大しめ縄の里で叶える豊かな島根県田舎暮らし
この記事では、地方移住を検討している方に向けて「島根県飯南町」をご紹介します。
飯南町は、出雲大社神楽殿に掛けられている大しめ縄をはじめとする、大しめ縄作りの伝統を持つまち。伝統工芸や手仕事に興味のある方に、ぜひおすすめしたい移住先です。
また、豊かな自然も特徴です。四季折々の美しい風景を楽しむことができ、その大地がはぐくむ、新鮮でおいしい野菜や果物がたくさん味わえます。
このようにさまざまな魅力がありながら、未来に向かって進化していく"余白"もある小さなまち、飯南町。自分らしいライフスタイルを探せそうなこのまちについて、暮らしの様子や仕事・住まい情報など、移住を検討するのに役立つ内容をたっぷりとお届けします。
飯南町の暮らしを彩る3つの魅力
地方移住を検討している方の中でも、特に次のような方には飯南町がおすすめです。
- 伝統工芸に興味がある。他の地域にはない“ここならでは”の伝統を持つまちに暮らしたい
- 神社が好き
- 自然が豊かなまちで、地元産のおいしい食材を味わいたい
- 人や物事の密度が濃い都会とは反対の、ゆったりと自分らしく暮らせるまちを探している
なぜこのような方に飯南町が向いているのか、その理由を踏まえつつ、飯南町の暮らしの特徴を紹介していきます。
特徴1:伝統と技術が息づく「大しめ縄」の里
神社などに張られ、神様の宿る場所を隔てる結界の役割をもつ「しめ縄」。その中でも、国内最大と言われているのが、島根県の出雲大社神楽殿に掛けられている「大しめ縄」です。
飯南町は古くから、その出雲大社神楽殿の、大しめ縄の制作を担ってきたまちです。現在掛けられている大しめ縄は、平成30年に飯南町注連縄企業組合が制作したもので、長さ13.6m、重さ5.2t。材料の選別から制作、取り付けまで、すべて手作業で行われました。また、出雲大社のほかにも全国各地の大しめ縄作りを手掛けています。
飯南町でしめ縄づくりが盛んなことには理由があります。それは、まちが標高500mの高原地帯に位置し、昼夜の寒暖差が大きいこと。この環境で育つしなやかで強い稲わらが、しめ縄の材料として最適なのです。
他の地域にはない“ここならでは”の伝統と高い技術が受け継がれる飯南町。伝統工芸や手仕事に魅力を感じる方には、とてもおすすめの移住先です。
特徴2:中国山地の雄大な自然がはぐくむ新鮮食材
飯南町は、雄大な中国山地に囲まれた、自然豊かなまちです。四季おりおりの植物や、広い空、雪景色など、心がやすまるような、たくさんの美しい風景に出会うことができます。
そして、その肥沃な土壌と、山を流れるミネラル分の多い澄んだ水を用いて、飯南町では数々の農作物が育てられています。
代表的なものは、うまみと粘りの良さが特徴の「飯南米」です。トマトやパプリカ、リンゴもまちの特産品。水がきれいなので水道水もごくごく飲めるそうです。さらに、島根県の中でも奥出雲地域で育ったブランド牛「奥出雲和牛」は、和牛オリンピックと言われる「第12回全国和牛能力共進会」で「肉質日本一」にも輝きました。
飯南町は、おいしい食べ物、それも、その土地の自然の中で育った食材を口にしたいという方には、ピッタリと言える環境です。
特徴3:豊かな“余白”をもつ「住みたい田舎」
飯南町は、宝島社が発表する「住みたい田舎」ベストランキングでこれまで何度も上位にランクイン。2021年には、中国エリアの第1位を獲得しました。
参考:2021年版「住みたい田舎」ベストランキング【西日本編】
独自の伝統文化や充実の支援制度など、飯南町が移住者の注目を集める要素は多くありますが、今回お話をうかがった石川さんは、「何もないところ」も大きな魅力の1つと言います。
移住を検討するきっかけとして「人もモノも情報もあふれた都会で“なんとなく”暮らすことに疑問を感じ始めたから」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
飯南町には鉄道は通っておらず、大型ショッピングセンターなどもありません。また、人口も5,000人に満たない小さなまちです。それは言い換えれば、人で埋まり、開発されつくした地域にはない“余白”であり、自分らしい生き方を見つけられる可能性がいっぱいなのです。
飯南町の暮らし:仕事・住まい・子育て環境を徹底解説
ここでは、移住を検討するうえで重要となる、飯南町の暮らしに関してのさまざまなデータをお届けします。
気候 | 1月:平均気温0.3°C 8月:平均気温23.8°C ※参考:気象庁ホームページ |
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人口 | 人口:4,502人 世帯数:2,018戸 (令和5年8月1日現在) |
近隣都市 | 出雲市、雲南市、大田市、邑智郡美郷町 広島県:三次市、庄原市 |
公共交通 | 路線バス:備北交通、飯南町生活路線バス |
大都市へのアクセス | 出雲市へ:車で約1時間15分 広島へ:車で約1時間40分 |
病院 | 診療所3、病院1、歯科1 |
学校 | 高校1、中学校2、小学校4 |
観光・レジャー | 大しめなわ創作館、琴引フォレストパークスキー場、頓原天然炭酸温泉(ラムネ銀泉)、飯南町ふるさとの森 |
飯南町は、山間部に位置する高原のまちです。年間を通して冷涼な気候で、夏の夜はクーラーなしでも快適に過ごせる涼しさです。
一方で、冬は厳しい寒さとなります。豪雪地帯でもあるので、車は四駆がおすすめ。また、家に雪が積もった時には雪かきなども必要です。
もちろん、雪が深い地域ならではの楽しみもたくさん。飯南町では、スキーやスノーボードなどのウィンタースポーツに、子どもの頃から親しむそうですよ。
食料品など、日常生活に必要なものは町内で購入できますが、週末のまとめ買いや大型ショッピングセンター利用の際には、車で1時間ほどの近隣市町村へ出かけることになります。車の運転が好きな方、時間にとらわれず大らかに暮らしたい方に向いていると言えるでしょう。
比較的、利便性の高い生活を希望するのであれば、国道54号線(頓原道路)付近に暮らすのがおすすめです。
【仕事】農業が主流、新規就農者への手厚い支援
2023年8月現在、大手求人サイトで飯南町内および通勤30分程度の範囲(25km圏内)で正社員求人を検索すると、約540件がヒットしました。
参考:正社員求人情報の一例
飯南町では農業に従事する方が最も多く、新規就農を目指す方への支援も用意されています。飯南町の代表的な栽培品目は、トマトやパプリカ。研修期間は2年間で、月額15万円の研修手当を受け取りながら、農業の知識・技術を習得していきます。移住を機に就農を希望している方は、ぜひチェックしてみてください。
詳細:農林業定住研修制度
【住まい】空き家バンクと町営住宅で選択肢豊富、支援制度も充実
飯南町に民間の賃貸住宅はありませんが、そのぶん空き家バンク物件や町営住宅の選択肢が充実しています。
2023年8月現在、飯南町の空き家バンク物件を検索すると約20件がヒットしました。2022年度の移住者の中では、半数くらいの方が空き家物件を利用されたそうです。
参考:空き家バンク物件一覧
空き家購入やリフォーム、また新築に対しても各種支援があり(※下記は一例です)、組み合わせると最大410万円と高額になります。ぜひ上手に活用してください。
空き家購入支援事業費補助金 | 空き家を購入する方に対し、対象経費の2分の1の額を補助(上限50万円) |
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住宅増改築支援事業費補助金 | 45歳以下の単身・夫婦もしくはそれらと同居する世帯に対し、住宅の増改築に要する費用の2分の1の額を補助(上限50万円) |
住宅新築支援事業費補助金 | 45歳以下の方が町内に住宅を新築する際、下記の補助金を支給 住宅の新築:対象経費の10分の1の額(上限100万円) 住宅新築のために購入した土地の造成:対象経費の2分の1の額(上限50万円) |
町産材住宅活用促進事業費補助金 | 町産材を使用した住宅を建築する方に対し、下記の補助金を支給 ○10立方メートルに対し100万円 ※10立方メートルを超える場合、1立方メートル毎に10万円を加算(上限200万円) |
【育児・教育】充実の経済支援とふるさと愛を育む一貫教育
まち全体で子育て環境の充実を推進する飯南町。子育て世帯をサポートするさまざまな取り組みが行われています。
育児支援
経済的な支援としては以下のようなものがあります。3人以上のお子様のいる家庭に対して、特に手厚いサポート内容です。
新生児出産祝金 | 子どもの誕生した家庭に、以下のお祝い金を支給 第1子:10万円 第2子:10万円 第3子以降:50万円 |
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子育て世帯日常生活用品給付事業 | 満2歳までの子どもを養育する保護者に対し【1ヶ月あたり5,000円】以内の額に相当する日用品(おむつ・ミルクなど)を支給 |
第3子以降子育て世帯応援金 | 第3子以降の子を出産した保護者に対し、子どもが4歳を迎えるまでの間【年間10万円】を支給 |
保育料の減免 | 世帯の所得等に関係なく、全ての年齢(0歳~5歳)の子どもの保育料無料 |
教育
飯南町は決して子どもの多いまちではありませんが、そのぶん、少人数ならではのきめ細やかな教育が特徴的です。
町内では、保育施設から高校までの「保小中高一貫」に加え、地域コーディネーターや町役場も一体となり、縦横のしっかりとしたつながりの中で子どもたちの成長を見守ります。
学校では、町役場の職員が総合学習の時間を担当するなどして、児童・生徒に地域の魅力を伝える授業を実施。飯南町ならではの、しめ縄づくりなど伝統工芸を伝える時間もあるそうです。また、中学生・高校生を対象にした公営塾があり、学習の進度が遅れないようサポートも行います。
こういった取り組みが実り、子ども達の心には、着実にシビックプライド(ふるさとへの誇り)が育っているのでしょう。中高生、また町外へ進学した大学生が、自由研究や卒論のテーマに、飯南町の地域研究を選ぶことも多いそうですよ。
飯南町移住者の声:自然と人の温かさに魅了された暮らし
ここでは、実際に移住して飯南町に暮らしている方の体験談や感想をご紹介します。
- 自然の豊かな山間部のまちで、空気も水もきれい。ゆったりと時間が流れているよう
- 都会では感じにくい“一人ひとりの存在”が際立っていて、自分らしく生きられる気がする
- 周囲の人がみんな親切で温かく、移住後すぐに溶け込むことができた
- 地域全体で子どもを見守ってくれる雰囲気がある。町営塾などの教育環境もありがたい
自然と文化に囲まれた環境での“豊かな田舎暮らし”を満喫しているという声が多く見つかりました。
また“人”の温かさも飯南町の大きな魅力です。地域の交流や人とのつながりを希望する方に、特に適した移住先であると言えるでしょう。
飯南町への移住ステップ:お試し暮らしから相談窓口まで
飯南町では、移住相談対応の一環として、お試し暮らし住宅を用意しています。
お試し住宅は家具・家電付きで、5LDKと広々としているのでファミリーでの利用でもゆとりがあります。ゆったりとしたまちの空気を感じながら、仕事や住まい探しなど、移住に向けた情報収集をしてみてはいかがでしょうか。
詳細:飯南町お試し暮らし住宅
飯南町への移住に関するお問い合わせ
担当課 | まちづくり推進課 飯南町定住支援センター |
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住所 | 島根県飯石郡飯南町下赤名880 |
電話番号 | 0854-76-2864 |
対応時間 | 8:30~17:15(土・日・祝日および年末年始を除く) |
公式サイト | https://www.iinan.jp/site/ijyuu/ |