長野県原村移住ガイド:高原の魅力と暮らしやすさを徹底紹介

この記事では、地方移住を検討している方に向けて「長野県原村」をご紹介します。

原村は、八ヶ岳の西のふもと、標高約900~1,500mの高原地帯に位置する村です。自然のあふれる美しい風景と、涼しくて湿度の低い、快適な気候が大きな魅力。おいしい高原野菜が手軽に購入できるので、日々の食卓もいっそう楽しくなりそうです。

また、東京や名古屋といった大都市へのアクセスが良いため、2拠点生活を希望している方にもおすすめ。そんな原村について、まちの特徴や仕事・住まい探しなど、移住を検討するのに役立つ情報をたっぷりとお届けします。

本日お話を伺った方
原村のマスコットキャラクター「セロリン」

原村役場 商工観光課
田舎暮らし推進係

清水 大史さん

長野県原村の暮らしを彩る3つの魅力

原村の暮らしの特徴

地方移住を検討している方の中でも、特に次のような方には原村がおすすめです。

  • 緑の多い、自然の豊かなまちに暮らしたい
  • 暑さや湿気が苦手。夏に涼しく過ごしやすい地域を希望している
  • 東京と行き来のしやすい地域に住みたい。または2拠点生活を検討している
  • 野菜が好き。地元で採れた、新鮮でおいしい野菜を口にしたい

なぜこのような方に原村が向いているのか、その理由を踏まえつつ、原村の暮らしの特徴を紹介していきます。

美しい高原の風景と涼しい夏を楽しむ原村の気候

八ヶ岳をのぞむ原村の風景

2015年、原村は「八ヶ岳の裾野に広がる豊かな自然と農地が調和した農村景観」などの地域資源を有することから、「日本で最も美しい村」連合(※)への加盟が認定されました。

この緑に囲まれた美しい風景が原村の大きな魅力です。また、空気が澄んでいるため夜には満天の星が広がる「星降る里」でもあり、冬になれば、心が洗われるような一面の雪景色にも出会えます。
(※)「日本で最も美しい村」連合…“素朴な美しさ”をもつ村を紹介するフランスの取り組みをお手本に、地域資源(景観や環境・文化・食材など)を守り生かしながら、美しい村としての自立を目指す運動を行う団体

満天の星
▲まさに「星降る里」の名前がふさわしい、原村の星空。村では「星空観望会」や「星まつり」といったイベントも行われる

一面の雪景色

また、高原地帯に位置する原村は、冷涼で湿度の低い気候が特徴です。

夏に高原で過ごした経験のある方なら、カラッとして快適な空気や、朝晩に涼しい風が吹き抜ける、何とも言えず気持ちの良い感覚をご存じでしょう。実際、原村は避暑地としての人気も高く、夏場には多くの人が訪れます。

原村では、リゾート地で味わうような、そんな贅沢な夏の時間を、毎年楽しむことができますよ。

東京まで2時間半:便利なアクセスで叶う2拠点生活

雄大な自然に囲まれた原村ですが、一方で、大都市からのアクセスも良好です。

具体的には、東京からであれば、新宿から特急電車を利用して約2時間半。名古屋からも特急電車で約3時間です。(※原村には電車の駅がないため、最寄り駅から車での移動時間を含みます)

「移住をしても今の仕事を手放したくない」という方は、この好条件を利用して、2拠点生活を検討してみるのもおすすめです。

例えば、平日は都市部でバリバリと働いて金曜日のお仕事が終わったら原村へ向かう、あるいは夏の暑い時期にワーケーションとして原村で快適にお仕事をするというのはいかがでしょうか。生活にメリハリがつき、仕事もプライベートもいっそう充実しそうです。

また、東京にいる家族やお友達と行き来がしやすいのも嬉しいところ。全国的な猛暑のなか「涼しい原村に遊びにおいで」と誘えば喜ばれることでしょう。

原村は、都市部との関係性を残しながらの移住を希望している方にピッタリと言える環境なのです。

新鮮でおいしい高原野菜が豊富:原村の食の魅力

一面のセロリ畑
▲原村のセロリは食べやすく、お子様からも人気。他地域からわざわざ買いに来る方も多いそう

原村は、高原野菜の栽培が盛んな村です。畑では、昼夜の寒暖差によって甘みをたっぷりと蓄えた、みずみずしい野菜がすくすくと育っています。

原村のメインの作物はセロリ。夏場の生産量に関しては日本一を誇ります。ほかにも、フルーツ並に糖度の高いトウモロコシ、近年特産品に加わった「ワイン用ぶどう」、ブロッコリーやキャベツ、レタスにトマトなど、栽培品目は多彩です。

原村では、そんな新鮮でおいしい野菜を、スーパーや直売所で手軽に購入することができます。野菜が好きな方、料理が好きな方にとっては、食材の買い出しだけでも毎日ワクワクと楽しめそうですね。

夏には「原村高原朝市」、秋には「八ヶ岳まるごと収穫祭」と、新鮮野菜とともにお花やクラフト、フード類が販売される大きなイベントも開催され、多くの人でにぎわいます。

長野県原村での暮らし:仕事・住まい・教育の実態

ここでは、移住を検討するうえで重要となる、原村の暮らしに関してのさまざまなデータをお届けします。

気候 1月:平均気温-3.0°C
8月:平均気温22.0°C
※参考:気象庁ホームページ
人口 人口:7,718人
世帯数:3,060世帯
(2023年8月現在)
近隣都市 茅野市、諏訪郡富士見町
山梨県北杜市
公共交通 路線バス:アルピコ交通(諏訪バス)
※村内に電車の駅はない。最寄りはJR中央線「富士見駅」もしくは「茅野駅」
大都市へのアクセス 東京へ:車で約2時間半、電車(特急利用)で約2時間半
名古屋へ:車で約3時間、電車(特急利用)で約3時間
病院 診療所3、歯科3
学校 保育園1、小学校1、中学校1、専修学校1
名所・レジャー 八ヶ岳自然文化園、八ヶ岳美術館、ふれあいセンター もみの湯
行事・イベント 八ヶ岳まるごと収穫祭、御柱祭、サマーホリデーin原村 星まつり

涼しくて湿度の低い、快適な夏の気候が魅力の原村。

一方で、移住を検討するのなら、冬の寒さについてもよく知っておく必要があります。原村は積雪の多い地域ではありませんが、気温が非常に低く、マイナス10度を下回る日も珍しくありません。積雪がなくても路面が凍っていることがあるので、車は4WDがおすすめです。

食料品など日常の買い物は、村の中のスーパーや直売所で事足りるでしょう。また、村内の専修学校「八ヶ岳中央農業実践大学校」にも直売所が併設され、生徒が育てた野菜や花、乳製品などを購入することができます。

大型ショッピングセンターや大きな病院の利用に関しては、お隣の茅野市(原村から車で約20分)などを利用する方が多いそうです。なお、原村には電車の駅がなく、車での移動が基本になります。移住を検討する際には、直近だけでなく将来的な生活も含めたシミュレーションが大切です。

原村では、伝統行事から新しいイベントまで、さまざまな催しも行われます。中でも、7年に1度行われる「御柱祭」は、その盛大さから全国的にも有名なお祭り。諏訪大社を中心に、原村をふくむ長野県諏訪地域一帯が舞台となります。

移住をしたら、こういった行事に積極的に参加することで、より地域を知り、人の輪を広げることができるでしょう。

仕事事情:原村と近隣エリアの豊富な求人情報

原村の基幹産業は農業ですが、メインの作物である「セロリ」は栽培難度が高め。移住者の働き方としては、新規就農よりも会社勤めなどの方がメジャーだそうです。

2023年9月現在、大手求人情報サイトで原村の正社員求人を検索すると、約70件がヒットしました。この検索範囲を通勤約30分程度(原村から25km圏内)に広げると、約6,600件と大幅に増加。より多くの選択肢からお仕事を見つけたい方は、近隣エリアも含めたお仕事探しがおすすめです。

参考:正社員求人情報の一例(原村内のみ)
参考:正社員求人情報の一例(原村から25km圏内)

大都市へのアクセスの良さや、その快適な環境から2拠点生活やワーケーションにも向いている原村。自分らしい働き方が見つけられそうですね。

住まい探し:原村の賃貸・空き家情報と補助金制度

2023年9月現在、大手住宅情報サイトで原村の賃貸物件を検索すると、約10件が見つかりました。

参考:賃貸物件情報の一例

また、原村の公式サイトでは、空き家・空き地、村営住宅も紹介されているので、こちらもチェックしてみてください。

参考:空き家・空き地情報
参考:原村営住宅 について

空き家の購入や賃貸に関しては、以下の「原村空家有効活用補助金」を利用することができます。ただし空き家は人気が高く、長い間物件を探している方も多いそうなので、まずは村役場へのお問い合わせがおすすめです。

空き家購入費 空き家を購入し、移住・定住(5年以上)する50歳未満の方に対し【対象事業費の1/2の額】を補助(上限:100万円)
リフォーム工事 空き家を賃借し、移住・定住(2年以上)する50歳未満の方がリフォーム工事を行う場合に【対象事業費の1/2の額】を補助(上限:50万円)

子育て環境:地域愛を育む「原村学」と充実の教育支援

原村では「子どもは社会の宝物」という考えのもと、地域全体で子ども達の健やかな成長をサポートしています。

村内の保育園や小中学校はすべて村の中心部にあるため、子ども達同士が顔見知りになりやすく、また多くの大人の目が届く環境です。豊かな自然と、アットホームな地域の雰囲気の中で子育てをしたい方には、原村はピッタリと言えるかもしれません。

教育面では、中学校を中心に「原村学(はらむらがく)」が実施されています。自分達が育った地域のことを知ろうという、総合的な学習です。

中でも特徴的な取り組みが「ワイン作り」。生徒たち自らがワイン用のぶどうを育て、ワイン作りの知識を学び、ワイナリーでの作業体験も行います。「成人式に、ふるさと原村へ戻ってきてみんなでワインを飲もう」というメッセージも込められた、なんとも素敵な取り組みです。

長野県原村移住者の声:実際の暮らしと感想

原村へ移住した人の体験談

ここでは、実際に移住して原村に暮らしている方の体験談や感想をご紹介します。

  • 美しい八ヶ岳、広い空など、雄大な自然環境が魅力的。
  • 朝の空気が爽やかで、最高に気持ちいい。
  • 車があれば、買い物や病院など生活には不自由しない。原村をふくむ諏訪地域は、まちごとに特色が豊かで、ちょっとした遠出なども楽しめる。
  • 子ども達はみんな顔見知りで仲が良いし、自然の中でのびのび遊び、たくましく育っている。
  • 地域のお祭りや行事を通して、村に早くなじむことができた。周りの人とのつながりを持つためにも、地域行事への参加は大切だと思う。

雄大な自然に囲まれた暮らしを満喫しているという声が多く見つかりました。

加えて、子育て世帯の方からの「地域全体で子どもを見守ってくれている安心感がある」「子ども達の遊び場が自然の中というのが良い」という感想も多く、子育てにピッタリな環境であることが伝わってきます。

長野県原村への移住ステップ:相談から体験まで

ここでは、原村への移住に向けて、実際に起こせる行動をご案内します。

移住相談の強い味方:「原村田舎暮らし案内人」の活用法

「原村田舎暮らし案内人」のみなさん
▲移住の心強いサポーター「原村田舎暮らし案内人」のみなさん(画像引用:原村

「原村田舎暮らし案内人」は、原村の住民で構成されたボランティアグループです。原村への移住を検討している方に向け、村の魅力を紹介したり、移住全般のアドバイスを行うなどの活動を行っています。

案内人の中には先輩移住者もいるので、移住のプロセスについて、参考になる話もたくさん聞けそうです。まずはお気軽にお問い合わせをしてみてください。

詳細:原村田舎暮らし案内人

移住体験住宅・移住イベントで、リアルな“原村暮らし”を体験

移住体験住宅の外観
▲移住体験住宅の「西棟ブルーベリーハウス」(左)と「東棟ラズベリーハウス」(右)

原村では、移住を検討している方に向けた「移住体験住宅」を用意しています。村の気候や雰囲気、生活の便を体感しつつ、仕事や住まい探しを行う機会として利用してみてはいかがでしょうか。

また、原村や地域の企業が主催する、現地見学会などのイベントもあります。新しい情報は、公式サイトに随時アップされますので、こちらもぜひチェックしてみてください。

詳細:原村移住体験住宅
詳細:村内移住関連イベント

長野県原村への移住相談:問い合わせ先一覧

担当課 原村役場 商工観光課 田舎暮らし推進係
住所 長野県諏訪郡原村6549番地1
電話番号 0266-75-0669
対応時間 8:30~17:15(土・日・祝日と年末年始を除く)
公式サイト https://www.hara-life.jp/